「病名や症状名にとらわれないで」克服したいときは忘れることも大切!

今日は私の経験の中から、「病名」について思うことをまとめたいと思います。

私は14歳のときに、学校のストレスがきっかけでパニック発作が起こるようになりました。
しかしその時はまだ中学生でしたし、病気とも気づかず、「自分だけおかしいのかも?」「みんなと同じように過ごせない自分は変だ」と追い詰められるばかりで、親にも先生にも、友達にも誰一人相談することができないまま、毎日発作をごまかしながら生きてきました。

体調には波があり、良い時期、学校に行けない時期、色々ありましたが、19歳のときに大きな不調があり、初めて会社の先輩に「電車に乗ると息ができなくて死んでしまいそう」「一秒でも早く電車を降りたい」「人と過ごすのが怖い」と話すと、「『心療内科』に行ったほうがいいよ!」と大病院を紹介してもらうことができました。

病名が「救い」だったとき

電車に乗れない私が診察に通うのは本当に辛かったのですが、ようやく「パニック障害ですね」と病名をもらった時には、本当に心の底から嬉しくて、「同じ苦しみを持つ人が他にもいるんだ!」とわかったことや、「病気=治療で治せる!!」という希望から、それまでの人生で最大の喜びを味わいました。


「病名がある」と助かったこと

  • 具体的な治療やアドバイスを受けることができる
  • 同じ症状の人と繋がることができる
  • 自治体や会社のサポートが受けられる
  • うまく行かないときは「病気だからしょうがない」と気持ちを切り替えられる

当時はインターネットも今ほど普及しておらず、「パニック障害」があまり知られていない時代で、私自身も無知だったので、私は会社に病名を伝えることなく退職してしまいましたが、現在であれば芸能人がパニック障害を告白したり話題に取り上げられることが多くなってきましたね。

周りの人に協力してもらうことでしっかり休養できるので、病名を周りに「言えそうであれば」お伝えしたほうが、会社側からの具体的なアドバイスをもらえることもあるので、よいのでは、と思います。

誰にでも不調の時はあるものです。
元気な人が、風邪のとき「風邪なのでお休みします」というのと、本来は同じはずですよね。

病名を「手放した」とき

それから数年が過ぎ。その頃は東京を離れ、ご縁があり結婚しました。

心療内科など通いながら治療を続けてきましたが、鬱や対人恐怖もまだ残り、予期不安も続いたままでした。

そんな中、どうしても子どもが欲しいのに授かることができず、結婚して数年が過ぎたので不妊治療に行きました。

子どもが欲しくてたまらないのに、治療を続けても授からず…
産婦人科なので周りは妊婦さんやお子さん連れの、幸せいっぱいの人で溢れています。

親の急死からの母子家庭、パニック障害、鬱、対人恐怖、不妊まで…。
もっと普通の人生が欲しかった。どうして私は苦しいことばかり続くのだろう…

虚しくて、悲しくて、病院に通うのも、子ども連れの親子を見かけるのも、本当に辛かったです。

自分が悪いんだな、自己管理できないから。
薬を大量に飲んできたからもう子どもは無理なのかもしれない。
旦那もうんざりしてるかもしれない。
子どもができなかったら、いつかは別れるのかな。

考えなくていいことしか思いつきませんでした。

より詳しく調べることとなり、造影剤検査をすることに。
とても不安で、「発作が起きそう…」「パニックになりそう…」と逃げだしたい気持ちでいっぱいでした。

私の経験では、相手に知ってもらったり、話をすることで安心できたので、検査をしてくれている医師にパニック障害であることや今の不安を正直に伝えてみました。

すると、

「パニック障害なんですね。大丈夫。あなたはちょっと人より緊張しやすいだけですよ。誰でも緊張するんだから。

そう言ってもらえて、とても、とても…心が軽くなりました!

そうだ、私は緊張しやすいだけ!誰でも緊張するんだ!病気なんかじゃない!

そう思えたら、なんでも病名に結び付けて不安になっている自分に気づくことができ、自分の考え方を修正することができました

「病名を手放して」良かったこと

  • パニック障害ではない健康な人にも「不安はある」と気づくことができた
  • 病名があることで不安に陥ってしまっていると気づけた
  • 今まで避けていた場所など「病気じゃないから大丈夫!」とチャレンジしやすくなった

病気のせいにして、沢山の行動を制限しているときは、せっかくの出逢いやチャンスを逃してしまいます。

予期不安だけが残っている状態であれば、スモールステップを見つけて、チャレンジしてみると、「大丈夫だった!」という成功体験を積んでいけます。

病名を忘れるなんて、無理して悪化しそう…というときは、もちろん無理にはお勧めできません。
お友達に付き添ってもらったり、発作が起こりそうな時の対策を準備したりしながら、ちょっと体調がいいときに「病名を手放す」選択肢も思い出してみてください。

都合が悪くなったら、「だって病気だもん!」と戻ってもいいのです。

「病気じゃないわたし」をちょっとでも味わえたら、心が軽く、自由になれるかもしれませんよ。

ちなみに、不妊治療を諦めて、「二人と愛猫でおじいちゃんおばあちゃんになるまで生きていこう!」と決めて引っ越したら、すぐに子どもを授かりました。

ストレスは、心だけでなく、体もガチガチにしてしまいます。

不安も悩みも抱えていないで、ちゃんと周りに頼ってくださいね。
人に話して、沢山泣いて。苦しみから自分を解放してあげましょう。


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